「日銀が利上げできない本当の理由」を元審議委員が匿名で語った全記録

2026年に入り、日銀の金融政策は再び膠着状態に陥っている。表向きは「データ次第」という姿勢を崩さないが、元審議委員のひとりが匿名を条件に、利上げが進まない構造的な理由を明かした。

政府債務という「見えない天井」

「利上げすれば国債利払い費が年間数兆円規模で膨らむ。財務省は表立って反対しないが、あらゆるチャネルで圧力をかけてくる」。元審議委員はそう語る。日本の政府債務はGDP比260%を超え、金利1%の上昇が財政に与えるインパクトは他の先進国の比ではない。

住宅ローン変動金利という「政治爆弾」

変動金利で住宅ローンを組んでいる世帯は約1,200万。利上げは直接的に家計を圧迫し、政治問題化する。「2024年7月の利上げ後、与党から猛烈な批判を受けた。あの経験がトラウマになっている幹部は多い」。

円安容認の裏側

実は日銀内部では円安が「望ましい」と考える勢力が根強い。輸出企業の業績改善、インバウンド効果、そして何より——政府の税収増。「円安で名目GDPが膨らめば、債務比率は改善する。これが暗黙の合意だ」。

出口なき金融政策の行方

結局のところ、日銀は利上げしたくてもできない構造に囚われている。インフレが加速しない限り現状維持が続き、加速すれば後手に回るリスクがある。「次の景気後退で再びゼロ金利に戻る可能性すらある。我々はそれを恐れている」。元審議委員の言葉は、日本経済の根本的な脆弱性を浮き彫りにした。